女性泌尿器科専門のクリニック

運動中の水分摂取
(公益財団法人日本体育協会の発行する「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(平成18年度版改訂)」の内容を基に編集)


熱中症について書いたところ、『水分の補給にはどのような注意が必要?』という質問がよせられています。30℃以上の環境温度のもとでは、人は主として汗によって体温を調節します。そこで、およその目安を提案しましょう。

運動時の水分補給の目安(表参照)


表の注意
1:この表は、温度条件によって変化します。発汗による体重減少の70?80%の補給を目標として考えてあります。
2:気温の高いときには15?30分ごとに飲水休憩をとることによって、体温の上昇が抑えることが必要です。目安は、1回200ml?250mlの水分を1時間に2?4回に分けて補給をしてみることを提案します。
3:水温は冷たすぎる必要はありません。5?15℃が望ましいですが、摂取が大事なポイントです。
4:食塩(0.1?0.2%)と糖分を含んだものが有効です。運動量が多いほど糖分を増やしてエネルギーを補給してください。特に1時間以上の運動をする場合には、4?8%程度の糖分を必要とします。


これを自発的脱水といって、大量に汗がでた時には、発汗量に見合った量の水を飲めない現象がおこります。

人間の体には、約0.9%の塩分を含んだ血液が循環しています。大量の発汗がおこると、皮膚をなめると塩辛い味がすることからわかるように塩分が失われます。この時水だけを飲むと、血液の塩分濃度が薄まり、それ以上水が欲しくなくなります。同時に余分の水分を尿として排泄し、その結果体液の量は回復できなくなります。この状態で運動を続けると運動能力が低下し、また体温が上昇して暑熱障害の原因となります。

長時間運動を続ける場合には、食塩濃度をやや高くすることが必要です。トライアスロンなど長時間の運動では、血液のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんのおこることがあります。またエネルギー源としての糖質も水と一緒に摂取することが効率的です。運動の回復時においても水分を摂取することによって、体温の回復が早くなります。


ページトップへ

奥井識仁のコラム

奥井 識仁


  • 外科医。医学博士
  • 日本医師会・健康スポーツ医単位修得
  • ダイバーズドクター

水泳・マラソン・筋トレーンングがんばっているよ。

TestSite.com MENU

Copyright (C) NaturalTmpl008 All Rights Reserved.