月経とスポーツ



女性とスポーツ(1) 月経とは


高校生の娘にわかるように、月経を説明してみます。

一般に女性は、12歳前後で初経を迎え、40歳代後半に閉経します。この間、出産で中断することを考慮しても平均400回以上の月経を経験することになるのです。

多くの動物には子を殖やす時期、すなわち繁殖期があり、それが月経によりわかるのです。月経周期はこの繁殖の周期なのです。

月経周期は、卵胞が発育する卵胞期、排 卵が起こる排卵期、排卵後にぬけがらとなった卵胞が黄体化し、受精卵着床に備えて子宮内膜が厚くなる黄体期、そして不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血 液と共に排出される月経期の4つの期があります。

月経周期中には卵巣や子宮だけでなく、様々な器官、機能が変動します。基礎体温をきいたことがりますね。月経開始日から排卵日までは体温が低く、排卵日以降の黄体期では黄体ホルモンの作用により体温が0.3〜0.5℃くらい高くなるのです。

では、これらの現象は、スポーツとどんな関係があるかみてみましょう



女性とスポーツ(2) スポーツと月経異常


女性のホルモン環境の変化についての医学の基礎知識です。

1)短期的変動
スポーツ活動に伴う各種ホルモンの変動をみると(表 ),卵胞期および黄体期ともにprolactin の一過性の著明な増加が認められ,この増加は β-endorphin の増加によると考えられます.さらに,運動前後で LH のパルス状分泌動態をみると,運動後にはパルス状分泌が明らかに減少してきます。

2)長期的変動
スポーツ選手の安静時の血清 FSH および LH は低値です.また,運動性無月経選手ではパルス状分泌回数が少なく,パルス時の分泌上昇量も少ない.さらに,LH-RH 負荷試験時の LH 分泌動態は,月経正常選手ではほぼ正常反応を示しますが,運動性無月経選手では分泌亢進および遅延反応が認められます

3.運動性無月経の問題点
a.重症化と難治性
1 年を超える続発性無月経は第度無月経へと重症化しやすい.
また,第II度無月経は勿論のこと,第I度無月経であっても 1 年を超えるものは回復しにくい
b.妊孕性
スポーツ活動に伴う各種月経異常の回復,さらには将来の妊孕性に及ぼします。影響は,その対象が若い女性が大部分であることからも,非常に重要な問題と考えます
c.疲労骨折
月経正常選手群の骨密度は,一般婦人より明らかに高値です.運動性無月経選手群は月経正常選手群より明らかに低値です.なお,血清estradiol 値と骨密度には,明らかな正の相関関係があります。

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