女性泌尿器科専門のクリニック
治療対象の方の条件 1) いままで治療をしてきた病院から紹介状を準備できること(あてなは、『帝京大学泌尿器科非常勤講師 奥井伸雄』でお願いします。大学の役職で見せていただくことで、おおくのほかの医師と相談しあいながら倫理的に正しい判断をしていくためです。また、紹介状は、クリニックの初診の時は必要ありませんが、治療の途中で大学病院へ移動しますので、その時はいままでの治療をした病院から大学病院への書類が必ず必要です。) 2) 子宮がんの術後の『膀胱膣ろう』も、子宮摘出手術後の『膀胱膣ろう』もうけいれます。ただし、術後、子宮がんのアフターケアは、MRIを併用することになります。(これは、膣の形がかわることが多いので、膣壁をこすって細胞診をとることが難しいからです) 3) 子宮がんに対して放射線治療を実施した方は、残念ながら私の術式は不可能です。 4) クリニックと大学病院の2か所を通院することになります 5) クリニックでは、状況にあわせて、自費診療(診察料3000円)となることがあります。(普段診療している女性泌尿器科の患者さんに比べて3倍ぐらい時間がかかるので、不公平のないようにします。あれかじめご理解ください。) |
第10章 術後のケアについて
術後のケアで、注意することは、もともとの病気なのです。
僕の考えた膀胱膣ろうの修復は、結局のところ、膣のかなりの部分を、ソフトに、痛みがないように、閉鎖することになります。その閉鎖することは、もちろん、セックスはもうできません。しかし、ほとんどの女性では、膣は、膣前壁と膣後壁壁が、上下でソフトに合わさっていて、不都合なく、いたみなく生活しているのです。そして、セックスをするときだけ、この上下の壁がはなれて、つつ状になります。つまり、ソフトに閉鎖することは、普通の女性の普段を再現するポジションです。このソフトな膣の閉鎖は、普段女性の性器脱で、ひん用する、古典的で、安全な術式です。勘違いする人もいますが、女性器の左右の陰唇を閉じるわあけではありませんから、見た目や、触った感じは、普通のままです。ただし、女性性器脱でもない人で、かつ、ろう孔のある人に、全体のバランスをとrながら、膣を閉鎖するのは、離れ業です。
このために、膣をつかった検査はできなくなります。たとえば、子宮がんで、子宮を摘出したあとは、定期的に、膣のおくの子宮を摘出したあとを確認します。断端がんというのです。子宮の細胞がすこしのこって、再発することです。めずらしいケースです。これは、今後は、MRIで確認することになります。ただ、常識的に、断端がんができることのみよりも、子宮がんの肺転移や肝転移の方に注目することが重要なので、生活のために、膣を閉鎖するのはしかたないと思います。
そのためにも、いままで子宮がんを診察した医師との連携は重要です。ろう孔は、偶然の産物です。いままでの主治医がせいいっぱい頑張ったのであっても、組織がもろい時はおこります。